今回はアガサ・クリスティーの「ナイルに死す」をご紹介します!
世界中で有名なミステリーの女王・アガサクリスティー。
「ナイルに死す」は、名探偵ポアロが活躍する船上ミステリーです。
船上というクローズドミステリーとして楽しみながら、船に乗り合わせた男女の人間ドラマがたっぷり楽しめる人間ドラマとしても楽しめる作品です。
2022年2月25日に「ナイル殺人事件」として映画が公開されました。
映画を観る前に、原作も読んで楽しんでみてはいかがでしょうか?
作品情報
タイトル | ナイルに死す |
作者 | アガサ・クリスティー |
刊行日 | 1937年 |
出版社 | 早川書房 |
ページ数 | 573ページ |
あらすじ
エジプト・ナイル河をさかのぼる豪華客船で繰り広げられる船上ミステリー。
アガサ・クリスティーの中でも最もゴージャスな作品と言えるでしょう。
本作は豪華で壮大なミステリーであると同時に、素晴らしい人間ドラマが描かれている作品でもあります。
物語の始まりはドロドロの三角関係
ことの発端は簡単にいうと男女の三角関係。
ジャクリーンという女性が婚約者のサイモンを親友のリネットに紹介したところ、リネットはサイモンに惚れてしまい略奪してしまうのです。
親友の彼を略奪!なんだかドロドロしてる!
リネットは社交界で有名な若く美しい資産家の娘ですが、サイモンは無職で特に才能も無い平凡な男。
なぜリネットは略奪してまでサイモンと結婚をしたのか?
二人の結婚は世間から注目を浴びます。
一方、生涯をかけてサイモンを愛していたジャクリーンは恋人を奪われたことで嫉妬に狂い二人をつけ回すようになります。
そして、ついには二人の新婚旅行先のエジプト行きの同じ船に乗り込んでしまうのです。
客船たちの人間ドラマ
本作はミステリーでありながら、人間ドラマの描写も魅力の一つです。
ジャクリーン、リネット、サイモンの三角関係だけでも濃厚なストーリーになっていますが、他の人々の描写も実に細かくユーモアたっぷりに描かれているのです。
乗り合わせた面々は社交界の貴婦人、弁護士、考古学者、女流作家など様々。
さらに偶然なのか、リネットの財産管理人までもが同じ船に乗り合わせており、何やら企んでいる様子。
誰もが怪しく見えてくると、ハラハラ感がたまりません!
しかし、本作は長編でありながら冒頭から200ページほどまでは事件らしい事件は何も起こらず、船客たちの細やかな人間ドラマが淡々と描かれているのです。
ここまで長いと中だるみしてそうなイメージだけど、船客たちの正体やキャラクターがユーモアたっぷりに描かれるから全く飽きることがありませんよ!
ポアロの鋭い人間観察力
実は、ポアロはジャクリーンとサイモンがまだ婚約中だった頃、偶然にも二人をとあるレストランで見かけていたのです。
とても幸福そうでお互いに愛し合っていることは一目瞭然でした。
そしてこの船旅で偶然乗り合わせ、すっかり豹変してしまったジャクリーンを見たポアロは心を痛めます。
さらに、この男女の複雑で残酷な三角関係を知ったポアロは嫌な予感を感じ始めるのです。
その予感は的中し、ついに殺人事件が発生!
ポアロは捜査を始めますが、船客たちの証言の食い違いに頭を悩めます。
そして、時を空けずに第二の事件も発生してしまうのです。
ポアロの推理と事件の真相が気になります。
「ナイルに死す」はこんな人にオススメ♪
海外ミステリーが好きな人
非日常の旅情ミステリーを楽しみたい人
男女のドロドロした三角関係を覗き見したい人
今回は、アガサ・クリスティー作品の中でも最も長編の「ナイルに死す」をご紹介しました。
ナイル河の流れのように、ゆったりとした気分で極上のミステリーを楽しむことができますよ。
ぜひ、読んでみてくださいね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました♪